Miss International 2017 4th Runner-up Natsuki Tsutsui special article, written in Japanese by Mariko Ankai.

Briefly in English.  Natsuki Tsutsui was a former Miss Universe Saitama who competed at Miss Universe Japan 2013 when she was only 19.  She ended up as one of the 15 semifinalists.  She then took a break from pageantry, and spent time in the Philippines to learn English and improve her pageant knowledge and skills.  In 2016, she came back to Japan to compete at Miss International Japan 2017, and won the title.  This is her story.

2017ミス・インタナショナル世界大会5位に輝いた筒井菜月さん

2017年11月14日(火)、2017ミス・インターナショナル世界大会が東京ドームシティホールで行われ、日本代表の筒井菜月(24)が第5位、そして特別賞となるナショナルコスチューム賞に輝いた。

筒井菜月との出会いは2013年に遡る。

ミス・ユニバース・ジャパンのタイトルホルダーやファイナリストらと一緒に、チャリティやボランティア活動を行うTEAM MUJという団体(現在は解散)があり、そこで彼女と知り合った。当時、埼玉県代表として日本大会での優勝を目指していた彼女は、非常に印象深いファイナリストだった。なぜなら、日本大会を控えるファイナリストの参加は任意である中、TEAM MUJの活動に積極的に参加していたからだ。活動拠点が近いことを考慮しても、評価に値するほどの参加姿勢を見せていた。

特筆すべきは、日本大会の合宿が始まる日の朝に行われた活動にも参加したことだろう。極寒の中で代々木公園周辺のゴミ拾いが行われたのだが、40人を超えるファイナリストがいる中で、参加したのは彼女ひとり。後にその時のことを伺うと、「まだ若かくて右も左もわからなかったので、とりあえず自分ができることは何でもやってみよう!という思いでした」と振り返った。

2013年ミス・ユニバース日本大会出場時の筒井菜月さん

ミス・ユニバース・ジャパンでの結果はTOP15。話好きで“天真爛漫”な彼女が、凛々しい眼差しで颯爽とウォーキングをする姿に魅了されたのを覚えている。「女優のようにスイッチが入るタイプだ」と思ったと同時に、この大会だけでミスコンへの挑戦を終わらせるのはもったいないと感じた。 そう感じていたのは、何より筒井菜月本人だった。児童養護施設で育った彼女は、自分の力で立ち上がる術を身につけ、目標に向かって邁進することの意義を、身をもって知っている。そして、自身がまだまだ若く、目の前にはチャンスが溢れていることも……。

ミス・ユニバース・ジャパンへの挑戦を機に、ミスコンへの可能性に賭けた彼女は、その後ミスコン大国フィリピンへと渡った。再挑戦に向けてのトレーニングはもちろんのこと、語学力を身につけ、現地でのボランティア活動も行う。周囲の支援に助けられてきた彼女が、自らも人の助けになるべく奮闘する様子は、タイトルを得ずしても“ビューティークイーン”そのものだった。

 

海外での武者修行を経た彼女と再会を果たしたのは、2016年のこと。

Missosologyのステファン・ディアズ氏が主催するワークショップに現れた彼女は、より垢抜けて洗練された女性へと成長していた。ミス・インターナショナル日本代表を目標に掲げ、すでに大会に照準を合わせた仕上がりになっていた。グラマラスなミス・ユニバースに対し、ミス・インターナショナルは品格を重んじるエレガントな振る舞いが求められる。見学している我々を審査員に見立てたウォーキングの練習では、凛々しい眼差しはそのままに、思わずドキッとしてしまうほど、女性らしい柔らかな物腰を披露した。ミスコンを見慣れている我々さえをも唸らせる、魅力的な姿だった。

休憩時間になると、以前と変わらない話好きの“天真爛漫”な姿を見せる。そんなチャーミングな姿が彼女の魅力のひとつだ。思い描くミス像と実際の自分とが乖離してしまい、苦しむコンテスタントもいる中で、彼女は自らに課したミス像を楽しんでいるようだった。

日本大会での結果は、周知の通り見事に優勝。

2017ミス・インタナショナル日本代表に選出された時の筒井菜月

ダイナミックな存在感と、隙のない計算された動きは、たった今世界大会に出場しても良い成績を収めるのではないかと思えるほどの出来栄えだ。念願の世界大会への切符を手にした彼女は、SNSを用いて日本代表としての活動を余すことなくアピール。サッシュをかけ“クイーンとしての今”をイキイキと楽しんでいる様子が、手に取るように伝わってきた。

そして、1年後に迎えた世界大会では、さらにパワーアップした筒井菜月の姿があった。

世界大会が自国開催であることのメリットは非常に大きい。時差ボケもなくスタートでき、空気や水が肌に合う。そして言葉が通じる人たちがすぐ側にいるだけでも、優遇された環境と言えるだろう。「もう毎日が楽しすぎて、これが一生続けばいいなと思います!」と、疲れた様子も見せず、ホスト国として各国のミスたちと触れ合う彼女は、まさに夢の中にいるような表情を浮かべている。

最終日のステージ上でも楽しむ様子が見られた。スペシャルゲストとして呼ばれたケミストリーのパフォーマンス中、歌に合わせて手拍子をしていたコンテスタントがひとり……筒井菜月だ。日本代表ということを除いても、他国の代表とは違った振る舞いで注目を集める。TOP15、TOP8と順当に勝ち進み、最終審査となる英語でのスピーチも立派なものだったが、結果は5位だった。

観客の多くはもう少し上の順位を期待していただろう。本人も優勝することしか頭になかったはずだ。必死で隠そうとしていたが、5位にJAPANの名が呼ばれてから一瞬の間をおいてのリアクションと、笑顔を出しながらも全身にグッと力が入る様子に悔しさが滲み出る。

彼女の“本気”が伝わるからこそ、思わず「残念だったね」と声をかけそうになるが、心から「おめでとう!」と言いたい。主催国であり自国開催ともなれば、嫌でも注目を集める。周囲の目が味方になることもあれば、逆に厳しい目に晒されることもある。そんな中で彼女が残した5位という結果は、約5年にわたる「努力が実を結んだ」と言える、褒められるべき、讃えられるべきものだ。

世界一に輝いたケビン・リリアナさんを励ましている筒井菜月さん

優勝は、Missosologyの事前予想で1位に名が挙がっていた、インドネシアのケビン・リリアナ(21)が手にした。 インドネシアは昨年に引き続きベストドレッサー賞を受賞。スピーチでは自国の特徴に触れながら、平和の在り方にはダイバーシティが重要であると訴えた。パフォーマンスは美しさとアピール力のバランスに優れ、容姿には品がある。品格を重んじるミス・インターナショナルにおいては、評価されるべきコンテスタントであったことに異論はない。

翌日更新された筒井菜月のSNSでは、「今後も感謝の気持ちを胸に、全てにおいてベストを尽くし続けます!」と締めくくられている。

世界大会で優勝するという目標は達成されなかったかもしれないが、彼女の頭上には5位の証である小さなクラウンが輝き、肩には堂々としたサッシュがかけられている。

ミスコンでの経験はミスコンの中だけで終わりにしてはいけない。その後にどう活躍するかで、掴んだ「日本代表」のタイトルが初めて活きてくる。彼女の有り余るパワーを目の当たりにすると、この経験を糧に大きく飛躍することは想像に容易い。言葉とは裏腹に悔しい気持ちでいっぱいだと思うが、この約5年にわたる挑戦で得た経験は、大きなクラウンにも勝るものだったことだろう。今後の彼女にエールを送りたいと思う。

最後に、ミス・インターナショナルの存在意義について言及しておきたい。

普段からこのMissosologyを見ている人たちは、説明をしなくともミスコンの存在意義を理解していると思う。しかし、日本においてはまだまだマイナーな分野と言わざるを得ず、日本で世界大会が開催されていたものの、優勝者を知らせる報道で初めて日本での開催を知ったという人も多いことだろう。

ミス・インターナショナルは「美の親善大使」を選出すべく、日本の国際文化協会が主催する歴史あるミスコンテストだ。女性の社会進出が叫ばれ、働き方改革が推し進められる転換期を迎えている日本だからこそ、女性の社会進出のための教育と啓蒙活動を行なっているミス・インターナショナルの活動に注目してもらいたい。

国内大会・世界大会いずれにしても、一夜にして栄冠を手に入れられるわけではない。「美の親善大使」を名乗ることは、生まれ持ったものだけで担えるほど、生易しいものではないからだ。筒井菜月がそうであったように、トレーニングを重ねた努力の先に、はじめてカタチとしての結果を残せるか否かの世界。美しさを持ってしてどんな場面にも対応できる立ち居振る舞いや、世界情勢に目を向け、自分なりの考えを持って発信できる術を身につけるトレーニングは、女性として以前に、人間力を磨けるとても有意義なものだ。

ミスコンは時代遅れだと揶揄されることもあるが、女性の総合力を磨く場を提供し、それを目指す若い女性が増えることは、日本の底上げになると確信している。

来年の世界大会には、先日選出されたばかりの東大生、杉本雛乃が挑む。ダイナミックな筒井菜月の魅力とはまた違った、杉本雛乃カラーの日本代表を期待している。

取材・文/mariko

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