コロナ禍でのミスコンでも、変わらずに生まれたもの

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9月22日(火)埼玉県の行田市にて、ミス・スプラナショナル・ジャパン2020(以下、MSJ) が開催。日本で最大級となる象徴的なクラウンは、3度目の挑戦となった清水絵未里の頭上に輝いた。 コロナ禍により、さまざまなアクティビティーやショーアップしたステージは省かれ、関係者だけを招いた簡素化されたものとなった本大会。大きな声援や割れるような拍手が飛び交うこともなく、全体的に寂しさを感じるものであったが、振り付けや複数回におよぶ着替えもないため、ファイナリストからは「本番は自分に集中できます」という声も聞かれた。

何度チャレンジしてもいい!3度目の正直で掴んだクラウン

Miss Supranational Japan 2020 に輝いた清水絵未里

優勝した清水は、ミスコンの世界へと足を踏み入れるまで、女性の美しさを数値化するミスコンに対し、あまり良いイメージを持っていなかったという。だからこそ、その裏側を覗いてみたい好奇心から参加を決意した。すると、そこに集まる女性たちの素晴らしさに圧倒され、ミスコンの世界へとどんどん引き込まれていった。
 そして「ホームに戻ってきました! ただいま!」と語った MSJ は、今回で3度目の挑戦。経験を積んでいるからこそ、誰よりもマイペースで戦略的に挑んだ本大会で、念願の優勝を掴みとることができた。彼女の何度も挑戦する姿を見て、勇気をもらったファイナリストもいるに違いない。私もまた、挑戦していいのだと。

“同志” との美しい日々を求めて

大会が終わり、今ファイナリストたちの心には、ぽっかりと穴があいていることだろう。優勝できなかったことへの悔しさもさることながら、心に穴をあけるのは、同じ志しを持った素敵な女性たちと切磋琢磨した、あの美しい日々への恋しさであるはずだ。いつもより簡素化された大会であったかもしれないが、ファイナリストたちの姿を見ていると、特別な時間を共にした “同志” との友情は、例年と変わらず生まれているようだった。
 悔しさに涙する者、晴れやかな表情を浮かべる者、その姿はさまざまだが、みな一様に名残惜しんでいるように感じられる。

大会を終えたファイナリストたち

参加するまでは「興味がなかった」「楽しめるのか疑心暗鬼だった」と口にしていたファイナリストたちも、すでに「来年も挑戦したい!」と公言している。
 「優勝するまではやめられない」と、あくまでも結果にこだわり再挑戦する者もいるが、飛躍的に成長できる場であることを体感し、ファイナリストたちと過ごすかけがえのない時間に心を奪われて、再びミスコンの舞台へと戻ってくる者もいる。優勝した清水もその一人だ。誰よりも自身がミスコンのファンなのである。そして、度重なる挑戦が輝かしい結果をもたらした。

成長と友情が生まれる場所

美の在り方にも多様性が叫ばれている今、“ミスコン” という枠組みは画一的に見えるとして、否定的な意見も多い。Missosology として多くのコンテストを見てきた筆者も、ミスコンの存在意義について疑問に思う時期があったが、彼女たちの嘘のないハツラツとした笑顔や成長ドラマを間近で見ることで、「やっぱりミスコンはいいものだ」と確信できた大会であった。 そして今年は、ミスコンとはイメージ的に対局にあると思われているアイドルの参加も目立ち(意外にもすんなりと溶け込んでいた!)、新しい風が吹き込む大会でもあった。年齢制限はあるものの、それは審査における便宜上のものであり、本来ミスコンは誰でも参加できるものだ。少しでも興味を持つことができたなら、ぜひチャレンジしてほしい。

 来年はどんなカタチで開催されるかわからないが、徹底的に自分と向き合えるミスコンへの挑戦は、確実に大きな成長をもたらしてくれる。そして、特にアットホームな雰囲気の中で開催される MSJ では、毎年美しい友情が生まれている。これだけは、どんな状況にあっても変わらないはずだ。 /by Mariko Ankai

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