ミス・ユニバース・ジャパンのビューティキャンプを取材して…

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This is an article originally written for Missosology by pageant blogger and writer, Mariko Ankai.  She is our newest correspondent for Missosology Japan, and she is from Miyagi prefecture.
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ビューティキャンプを取材して…

 

彼女たちに必要なのは強い生命力なのかもしれない。

心の壁をぶち破り、くじけそうになっても立ち上がる。そして世界へと羽ばたこうとする姿はまるで、生命力の強いタンポポのよう。アスファルトからも芽を出し、踏まれても再び命を吹き返す。そして生まれた種は広く運ばれてゆくタンポポに、今の彼女たちの姿を重ね合せた。

ビューティキャンプは想像以上に過酷……。何をせずとも、一日彼女たちと空気を共にしただけで感じ取るにこと足りた。快適な高級ホテルに滞在しているとはいえ、ライバルたちとの共同生活。とことん自分と向き合わなければならない中で、常にライバルたちの姿が視界を遮る。ストレスからか、肌が荒れているファイナリストもいた。共同生活や緊張が続く中では便秘にもなりやすい。10㎝以上のヒールに靴擦れを起こしている足には、痛々しく絆創膏やテーピングが巻かれていた。

取材した日に行われていた講義では、医師から睡眠が大切であることを学んでいたが、朝から晩まで講義にトレーニング、そして自主練習……。彼女たちに十分な睡眠時間などあるはずもない。寒暖差がある季節、乾燥しやすいホテルの中で、私は一日居ただけで喉を傷めてしまった。ファイナリストたちは美しさを保つどころか、体調を整えるだけでも一苦労な環境の中で戦っている。何だかいたたまれない気持ちになった。nagano

けれども世界大会では、空気も水も、流れる時間も言葉も、何もかもが違う。何より世界中を飛び回るミス・ユニバースになったときのことを考えれば、これぐらいの環境の変化は、楽しむぐらいでなければ務まらないのだろう。

 

参加する前は自信があったのに、同じく自信に満ちたライバルを目の前に、主役だったはずの自分が周囲に埋れてゆく不安……。そして勝つために戦略を変えるか、自分らしさを貫くか、その狭間で悩み、涙するファイナリストの姿があった。ビューティキャンプも後半戦に突入し、笑顔の陰にネガティブな感情が渦巻いていた。

 

彼女たちが目標を見失いそうになっていたとき、突然目標がそこに現れた。2012年代表の原綾子だ。憧れの人物を目の前に、疲れた表情を見せていた彼女たちは輝きを取り戻す。歓声にも近いざわめきに、高揚感が窺えた。

原綾子からは愛情ある叱咤激励が飛び、そして個別に質問の時間が設けられた。なかなか思うように行かず、悶々としているファイナリストには、こんな言葉が投げかけられた。

「殻を破りたいなら皆の前で大声を出してみてもいいし、注目してもらいたいなら人と違うことをすればいい。変に思われても気にしない。一度恥ずかしい思いをすれば後はもう何も怖くないでしょ。できる?」oita

感情が高ぶり泣き出すファイナリスト。ポロポロと涙とともに不要なものは洗い流されていった。とても美しい瞬間だった。

外から見ている私は、「もっと気楽に自分の信じる道を進めばいいのに」そう思った。けれども彼女たちの涙を見て純粋さを感じた。なんでも吸収しようとする素直さがあるのだと。それが故に悩み苦しんでいる。「正解は一つじゃないから。自分に必要なものを取捨選択できればいい」そんなアドバイスも届けられた。

 

いよいよ、2015ミス・ユニバース・ジャパン決定のときが迫る。

葛藤に涙していた彼女たちは、答えを見つけ出し、気持ち晴れやかに日本大会を終えることができるのだろうか……。

花に例えるならば、彼女たちが目指すのはバラやユリのような華やかな姿かもしれないけれど、同時にタンポポのような強い生命力を持ち続けて欲しい。代表の座を手にできるのはたったの一人。けれども、ビューティキャンプを乗り越えた、強く、そして美しい生命力があれば、皆が花を咲かせることができるから。きっと大丈夫。

 

取材・文/mariko

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